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番外編 みんなマーが大好き、マーっ子
「バーバの悲鳴が聞こえたんだけど、何かあった?」
お風呂上がりの那和さんが濡れた髪をタオルで拭きながら心配顔で姿を見せた。
「バーバは強い男たちにモテモテだからね~~」
「それは分かるけど、地竜の二の舞にならない?」
「たぶん、大丈夫じゃない」
「たぶんって。適当なんだから」
那和さんがため息をついた。
「次にいつ会えるか分からないんだもの。気心知れた者同士、水入らずタイムがあってもいいんじゃないかな?」
「朝起きたらバーバ、素っ裸で全身にキスマークついていたらどうするの?マーの泣いた顔、僕見たくないよ」
「分かったわよ。あとで様子を見てくるわよ。紗智も亜優もそうだけど、那和もマーが大好きだもんね」
「だって僕、マーっ子だもの」
那和さんが背中にぎゅっとつがみついてきた。嬉しそうに顔をスリスリさせてきた。
くすぐったくて体を捩ると、くすくすと楽しそうに笑う那和さんの声が後ろから聞こえてきた。
海翔くんが僕に託した折り紙には小さな字でびっしりと家族のことが書かれてあった。
「海翔の祖父母を探す手がかりになるかも知れないわね」
お姉ちゃんとチカちゃんが一通り目を通したあと、
「なんか、やるせないわね」
「そうよね」
お姉ちゃんとチカちゃんが深いため息をついた。
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