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番外編 ママはぼくのだいすきな、こいびと

「男の子ってママが大好きなんだよね。中学生くらいになると自然と離れていくけど。それまではママにべったりなのよ。奏音くんは光希と離れ離れにはなっているけど、光希がいない分お兄ちゃんと未知がちゃんとフォローしているでしょう。だから、奏音は横道にそれることなく真っ直ぐに、すくすく成長してるでしょう?光希が側にいなくて寂しいけど、そのことを口に出したことはないはずよ」 「一太は未知の小さな恋人で、未知を守るナイトでしょう。自分より手がかかるパパ二人と、チビッ子たちがいるから、ママになかなか甘えられないけど、その分、紗智と那和たち大きいお兄ちゃんたちがちゃんとフォローしているから一太も横道にそれることなくすくすくと成長しているでしょう。他人を思いやる優しい心がちゃんと育っている」 お姉ちゃんもチカちゃんも一太と奏音くんの成長ぶりに目を細めていた。 縦十センチ横十センチの金色の折り紙の裏には、かなたくんはいいな。たくさんのママがいて。ぼくはさみしい。ママなんでむしするの?ぼくがきらいになったの?ママはなんでぼくを見るとおこるの?わらってくれないの。海翔くんの思いが小さな字でびっしりと書かれてあった。 もう一枚の銀色の折り紙の裏には祖父母の名前と年齢。小さいときに数えるくらいしか会ってないから覚えているのかな?不安な思いが綴られてあった。

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