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番外編お姉ちゃんの置き土産
陽葵は朝の四時まで一回も起きることなく一太の隣ですやすやとねんねしていた。
遥香と太惺と心望は布団を蹴飛ばし、ばんざいし、大の字になってすやすやと熟睡中だ。
「もしかしてひまちゃんご飯中だった?」
陽葵におっぱいをあげていたらすっと戸が開いてお姉ちゃんが顔を出した。
「寝相も寝顔も同じ。四人とも遥琉お兄ちゃんにそっくりだよね。いやぁ、もう。可愛い。もぐもぐって口を動かして。お兄ちゃんが作った美味しいご飯を食べている夢でも見ているのかしらね」
子どもたちを起こさないように小声で話すお姉ちゃん。
「迎えが来たからアタシたちも東京に戻るね」
「始発の新幹線で帰るんじゃなかったんですか?」
「そのつもりでいたんだけど、野暮用が出来たのよ。ごめんね未知。アタシの代わりにひとり置いていくから煮るなり焼くなり好きにしていいわよ。言っとくけど玲士じゃないわよ。遼でも光希でもないわよ」
誰だろう?首を傾げたらクスクスとお姉ちゃんに笑われてしまった。
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