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番外編 親子になってはじめての旅行
「デ、地竜さん!」
恥ずかしさに頬を赤くして地竜さんを睨み付けると、
「怒った顔も可愛いし、ゆでたこみたいに真っ赤になった顔も可愛いし、言うことないな。堪らん」
愉しそうにクスクスと笑われた。
悪戯好きなところとちょっとだけ意地悪なところが彼にますます似てきてるような。気のせいかな?
「気のせいだ」
しかも心の声までしっかりと聞かれていた。
「ただ漏れだ。それに表情を見れば未知が何を考えているか分かるよ」
「地竜、未知で遊ぶのは止めてくれ。陽葵を落としたらどうすんだ」
異変に気づいた彼がすぐに飛んできてくれた。
「落とさないわよ。アタシがしっかりと受け止めるから大丈夫よ」
お姉ちゃんが陽葵を抱っこすると、
「ひまちゃんまたね。千里お姉ちゃんの顔を忘れないでね」
笑顔で話し掛けた。
「龍、先に帰ってるわよ」
「気を付けてな」
「龍も気をつけてね」
「分かってるよ」
福島に来ているのにお祖父ちゃんに挨拶しないで帰るのは失礼にあたると、岳温泉に行くことにした龍成さん。もちろん奏音くんと一緒だ。
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