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番外編 まさかまさかの………
「森崎と蜂谷と青空が一緒だから大丈夫だ。茨木さんに挨拶をして、霞ヶ城や城下町の町並みを見て歩いたあと土湯峠まで足を伸ばすつもりだ」
「森崎といえば久弥は?一緒に行かないの?」
「めぐみと幸とランチデートの約束をしているみたいだ」
「あら、やだ。久弥モテモテじゃないの。森崎も焼きもちを妬ききれないわね」
「そうだな」
「ちょっと待って。ハチと青空が一緒ということは……」
「まぁ、いいんじゃないか。二人がバカっプルなのは今にはじまった訳じゃない。しかし、本当に仲がいいよな。朝から晩までべったり。片時も離れようとはしない」
龍成さんの視線の先には人目もはばからず、ぴたりと体をくっつけて談笑する蜂谷さんと青空さんの姿があった。
「青空がハチから離れようとしないんだ。ひとりでは寂しいらしい」
「図体はでかいが中身は子どもだな。俺もそうだが」
「俺もだ。やっぱり俺と龍は似た者兄弟だな」
そのとき、
「えぇ~~嘘~~!」
驚いた声が家中に響いた。
「やっとお目覚めか」
「みたいだな」
彼と龍成さんが目を合わせるなりくすっと笑った。
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