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番外編 一太もみんなびっくり
「ママおはよう」
「どうしたの一太?まだ六時前だよ」
「千里お姉ちゃんとディノンさん今日帰るでしょう?だから朝ごはんをいっしょにたべて、あそぼうと思ったんだ」
「ごめんね一太。実はね………」
隠しておくわけにもいかないから正直に伝えると、
「そうなんだ。千里お姉ちゃんとディノンさん帰っちゃったんだ。バイバイしたかったのにな」
しょんぼりして項垂れる一太に、
「客間に行ってみろ。きっと驚くぞ」
彼が声を掛けた。
「パパ誰か来てるの?」
「あぁ。行ってからのお楽しみだ」
「うん、分かった。行ってくる」
「挨拶を忘れるなよ」
「はい!」
さっきまでしょんぼりしていたのに。一太が元気よく駆け出した。
「参ったな。遥香たちや優真を起こすなよって言うのを忘れたな」
「起きたら起きただよ」
「それもそうだな」
彼の逞しい腕が腰に回ってきて。背中に彼の体がぴったりとくっついてきた。
「これ見よがしにキスマークを付けられたから、未知が怒って喋ってくれないかと思ったんだ。良かった」
「そのくらいでは怒りませんよ。未知さんは心がとても広いですからね。イチャイチャしてても構いませんが、未知さんの邪魔だけしないでくださいね。万が一でも火傷をさせたらただじゃおきませんよ」
「わ、分かってるよ」
橘さんに睨まれ慌てる彼。
いつもと変わらない朝の光景が広がっていた。
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