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番外編 一太はモテモテ
「優真、ここちゃんママっておいで」
心さんが両手を差し出すも、ぶんぶんと首を横に振る優真くん。
コアラのように一太の体にしがみついて優真くんは離れようとはしなかった。
「ほんもののいっちゃんおにいちゃんだ」
一太と画面越しではなく、実際に会えたのがよほど嬉しいみたいで、さっきまで親指をしゃぶっていた指でペタペタと一太の頬を触っていた。
顔がカペカペになってもされるがまま。チュー攻撃をされてもされるがまま。一太は嫌な顔ひとつせず、ニコニコしていた。
「一太くんごめんね。代わるよ。顔を洗ってきたら?」
「ぼくは大丈夫です。ゆうくんのうれしいかおを見たらぼくもなんだかうれしくて。心がぽかぽかしてきたんです。心さん、たいくんとここちゃんたのんでもいいですか?」
「へ?たいくんとここちゃん?」
一太に言われて下を見る心さん。
太惺と心望にじーーっと見られていることにようやく気が付いた。
「この人誰?だよね。会うの久し振りだもの。心おじさんだよ。二人とも早起きだね」
心さんは膝を立てて座るとにっこりと微笑み掛けた。
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