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番外編 奏音くんがやさしい子に育ってくれて良かった

陽葵を抱っこして庭を散歩していたら、 「あ、みちさん見付けた!」 奏音くんがにこにこの笑顔で駆け寄ってきた。 「どうしたの奏音くん?忘れ物でもしたの?」 「ううん。あのねみちさん。おみやげなにがいい?」 「え?お土産?」 予想もしていなかったら驚いた。 「一太くんパパとじぃちゃんからおこづかいをもらったからみちさんにお土産をかってあげたいんだ」 「その気持ちだけで充分嬉しいよ。僕はいいから、光希さんと遼成さんに買ってあげて」 「かなたは、みつきさんママとみちさんにかってあげたいの。甘いおかしでいい?」 「ありがとう奏音くん。楽しみにして待っているね」 「うん。楽しみに待ってて。みちさん、ひまちゃん行ってくるね」 陽葵のおでこをそっと撫でると、ぶんぶんと手を振りながら、奏音くんは龍成さんが待っている玄関へと急いで戻った。 「変われば変わるものだな」 一緒に散歩していたひろお兄ちゃんが感慨無量と言った表情でそんなことを漏らした。 「あのやんちゃで一番手のかかる甘えん坊の龍がいつの間にか父親の顔になっていたから驚いた。奏音も龍に懐いているし安心した。光希も奏音を縣家に迎えるべく準備を進めている。残る問題は遼成だな」 ひろお兄ちゃんが深いため息をついた。

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