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番外編 緑竜の死
「最初は遠慮してぎこちなくても、一緒に暮らすうちりょうパパって呼んでくれる。わがままを言うようになる。正々堂々と光希を取り合うようになる。心配はいらないと思うよ。なるようにしかならない。ひまちゃんもそう思うよね?」
心さんが庭に下りてきて陽葵の顔を笑顔で覗き込むと頬っぺたを指先でつんつんしてくれた。
「裕貴さん、千里から電話があったよ」
心さんからスマホを渡され、ぎくっとして尻ポケットを探るひろお兄ちゃん。
「さては優真の仕業か?」
「一太とここちゃんとたいくんの写真を撮りまくっていた」
「何も俺や遥琉に似なくてもいいのにな」
くすりと笑いながらひろお兄ちゃんがスマホを耳にあてた。
「そうか。分かった」
短く答えると、
「遺体は日本名、木村《きむら》創《はじめ》。緑竜《リュノン》だと判明した。仕込み刀についていた血痕と照合したらDNAが一致した。警察は直前まで一緒にいた男が白竜《バイノン》だと見て捜査を開始したそうだ」
ひろお兄ちゃんは浮かない顔をしていた。まだ何か気になることがあるみたいだった。
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