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番外編 緑竜さんの死

「地竜がな、顔が随分と変わってしまっていて緑竜だと気付かなかったそうだ。黒子や痣の場所、背中の古傷や胸や臀部や内股に彫ったタトゥーと乳首と臍のピアスで緑竜だと判断したが、裕貴と同じでこんな呆気ない死に方をするのかと、腑に落ちない点は多々あるそうだ。ごめん、未知。自分で言っときながら恥ずかしくなった」 顔を真っ赤にし、ごぼんとわざとらしく咳払いをする彼。 「譲治さんもその……臍とか……ね、遥琉さん」 「さっき俺が言ったこともう忘れたのか?」 「ごめんなさい」 えへへと笑って誤魔化すと、 「悪趣味な連中だ。つくづくそう思うよ。俺は刺青を彫ったり、ピアスの穴は開けない。未知に嫌われたらそれこそ死活問題だからな。死ぬまでずっと未知に好きだと言ってもらいたいしな」 おでこに彼のおでこがごっつんしてきた。 ドキッとするくらい熱っぽい眼差しで瞳を覗き込まれ、体温が一気に跳ねあがった。

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