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番外編 子煩悩なひろお兄ちゃん
「ハチ、この腕をへし折ってもいいか?」
「駄目だ」
「何でだ?」
「傷害罪で訴えられるぞ。止めとけ」
「駄目だと言われるとやりたくなるんだよな」
青空さんがにやりと笑うと、手に力を込めた。
「イテテテ。この変態ドクロ野郎!ふざけてやがって!離せ!」
「なかなかいいネーミングセンスだ。誉め言葉か。嬉しいことを言ってくれる。ふざけてはいない。いたって真面目だ」
「エセ日本人の癖に」
「これでも日本人だぞ」
「どこが日本人なんだ。日本語がおかしくて何を言っているかさっぱり分からない。それに聞いた話だと漢字だってろくすっぽ書けないだろう」
ここぞとばかりに畳み掛けるような強い口調で青空さんを責め立てる一央さん。
「ママと未知さんだけじゃなく、青空さんもいじめる父さんなんて大きらい」
めぐみちゃんの声が聞こえてきたからギクッした。
どこにいるかとキョロキョロとあたりを見回していたら縁側からめぐみちゃんと優輝くんが部屋に入ってきた。
「父さん、なんでひまちゃんとたいくんをたたこうとしたの?二人が何かわるいことした?未知さんのこともたたこうとしたよね?」
「私たちがここにいれるのは未知さんとゆかりさんたちのおかげなんだよ。父さん、だまってないで答えてよ」
めぐみちゃんと優輝くんが目に涙を浮かべて一央さんをじっと見つめた。
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