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番外編 子どもたちをこれ以上悲しませないで
「姐さん無事か?」
「青空さんこそ大丈夫?」
転びそうになった僕を寸でのところで抱き止めてくれたのは青空さんだった。
「重いのにごめんなさい。青空さんがつぶれてしまう」
「姐さんは軽すぎる。気にするな。それに俺は姐さんの弾よけだ。オヤジ、姐さんを頼む
分かった」
彼が体を支えて起こしてくれた。
「青空」蜂谷さんが青空さんの手を握ると引っ張って起こした。
「遥琉さん、上澤先生ってさっき言ってたよね?誰か怪我をしたの?」
「よほど腹の虫が悪かったんだろう。まとわりつくな。ウザいと優輝を足で蹴飛ばしたんだんだ」
「そんな……」
さっきまでずしりと重かったのに。急に軽くなった手を見たら、
「あれ?遥琉さん、心望がいない」
最悪の事態が脳裏を過り、さぁーっと血の気がひいた。
「嘘。そんな……」
「未知、落ち着け。心望は裕貴が抱っこしている」
彼に言われひろお兄ちゃんを見ると、目を擦りながら泣きじゃくる心望がいた。
「良かった無事で……。ママ、落としたんじゃないかって。生きた心地がしなかったんだよ」
安堵すると涙が次から次に溢れた。
優輝くんの頭には大きなたんこぶが出来ていた。
「優輝くん大丈夫?」
「僕は大丈夫。未知さんこそ大丈夫?障子に穴が空いちゃった。ゆかりさんに怒られるかな?」
「そんなことで怒らないよ。とにかく冷やさないと。もしかして口のなかを切った?血が出てるよ」
優輝くんの口元をハンカチで押さえた。
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