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番外編 子はかすがい

指をしゃぶりながらめぐみちゃんの背中にしがみついていた幸ちゃん。いつの間にか眠ってしまっていた。 「ご飯まだなのに寝ちゃった」 「起きたら食べるようにとっといてあげよう」 「うん。そうする」 「めぐみちゃん、幸ちゃんを抱っこしているから、先にご飯を食べてきたら?」 「まだお腹が空いていないからあとでいいや。未知さん先でいいよ」 その直後、グゥゥ……キュルルルル……グルッ……めぐみちゃんのお腹の虫が派手に鳴った。 「あれれ」めぐみちゃんが頬を染め、えへへと照れ笑いを浮かべた。お腹は正直だ。幸ちゃんの脇の下に手を入れて抱っこしようとしたら、太い腕が後ろから伸びてきて。ぎくっとして振り向くと、 「え?譲治さん?」 「幸を寝せるんだろう?二人とも先に飯だ。片付かないと橘の頭に角が生える」 「姐さん、めぐみちゃん、私がついてますから。どうぞ先に」 「鍋山さんありがとう」 「じょーさん、下に寝せるとギャン泣きするから。よろしくね」 「了解した。ずっと抱っこしている」 譲治さんは幸ちゃんのお尻を右手で、背中を左手でしっかりと支えると、体を左右にゆらゆらと優しく揺すりながらあやしてくれた。

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