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番外編子はかすがい

「柚は?」 「それが部屋にこもってしまって全然出てこないの。部屋の前に夕御飯を置いたんだけど、二時間経過してもそのままだったから、一旦下げたの。そしたら……」 「言わなくてもだいたい予想がつく。俺の留守中大変だったな。ごめんな、一人にして。大丈夫だったか?」 「僕は大丈夫。でも優輝くんが……」 何があったか説明すると 「だから三人で橘と柚原にひっつき虫、くっつき虫なんだな。なるほどな。明日、幸が帰りたくないと駄々を捏ねて押入れに立てこもるかも知れないな。何があるか分からないから、布団を入れないように言っとかないとな。指を挟んで怪我をした、頭をぶつけたはまだ可愛いほうだ。窒息したなんてなったら取り返しがつかないからな」 「周知徹底させる」 「その声はハチか?悪いが頼む」 「任せておけ」 「オヤジ、飯だ」 廊下から蜂谷さんの声に続き、青空さんの声も聞こえていた。 「着替えをしたらすぐに行く」 喪服を脱ぎシャツを脱ぎはじめた彼。 「どうした未知?顔が赤いぞ」 「な、何でもない」 慌てて首を横に振った。 「夕飯を食べたら構ってやるから待ってろ」 「構って欲しいわけじゃないもの」 「そうか?変だな?顔にはそう書いてあるのに」 着替えを急いで済ませると、くすくすと笑いながら客間へと戻っていった。 時刻は夜の九時過ぎ。幹部の皆さんと、ひろお兄ちゃんと信孝さんと龍成さんたちは夕ごはんを食べず、彼が帰ってくるのを待っていた。

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