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番外編 四季さんの直感
「あと残る独身貴族は………」
彼がちらっと見たのは別のテーブルに座っていたヤスさんだった。ご飯もそっちので、スマホの画面を熱心に眺めていた。
「俺もそうだが、ヤスも過保護な親だな」
「四季が可愛くて仕方ないみたいだ」
「心の広い旦那だな。新婚なんだろう?普通は自分以外の他の男が妻の側にいること自体嫌だろう。それにヤスはカタギじゃない。ヤクザだ」
「四季はヤスと初めて会ったとき、不思議なことを言っていた。どこかで会いませんでしたか?初めて会ったようには思えないと。それを聞いた和真は、ヤスが四季と何らかの繋がりがあるんじゃないかと思い、俺にヤスを貸してくれと頼んできた。だから幾らでも貸してやる。煮るなり焼くなり好きにしろと言って貸してやった」
「へぇ~~そんな経緯があったんだ」
「俺も和真も四季の直感を信じる。ヤスは生き別れになった、無事に生まれていれば四季くらいの年齢になる妹を十五年以上ずっと探している」
「なんで妹だと分かるんだ?」
「なんでだろうな。ヤスに聞いたら勘だと答えた」
「勘か、なるほどな。ヤスらしいな」
ひろお兄ちゃんが納得して頷いた。
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