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番外編 ヤスさんのめんごい娘

「それは今答えないと駄目か?」 「あの恐妻家で愛妻家の卯月にイロが出来たってちょっとした騒ぎになっていて、誤解している人が若干名本部にいるから白黒つけたいって心が。自分では怖くて聞けないって」 「四季は身内だ。それに和真っていう名前の旦那がいる。新婚ホヤホヤだ」 じっと彼の顔をみつめる七海さん。 「疑いの眼差しを俺に向けるな。橘、笑って見てないで助けてくれ」 「助けるもなにも。くさししてしかるべき説明をしないで四季さんを身内にするからです。あなたのイロじゃないか、上総さんの隠し子じゃないか、誤解されるのも当然です」 「分かったよ。裕貴と龍にちゃんと説明する。四季を見ていると、昔の未知を思い出すんだ。ネットに顔写真を晒して、やってもいない罪を擦り付けて、四季のこと何一つ知らない癖に好き勝手に言いたいことを言いやがって。誰かが四季と和真を守ってやらないと駄目だろう。お節介は百も承知だ。同じ両性同士。俺たちには相談できないいろんな悩みがあるはずだ。だからこそ未知となんでも話せるママ友になれればいいと俺は思うんだ」 いつになく真摯な彼の眼差しに思わず見惚れていたら、 「心配するだけ無駄だね。ご馳走さま」 七海さんに苦笑いされてしまった。

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