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番外編 次期跡目の二人

「ママ、ひまちゃん起きたよーー!」 「未知さんーー!」 一太と奏音くんが仲良く呼びに来てくれた。 「ありがとう一太、奏音くん」 「あいさつまだだった」 「そうだった」 二人は並んで正座して座ると背筋をぴんと伸ばし、 「みなさんこんばんは。どうぞゆっくりしていってください」 ズラリと勢揃いした幹部たちの前で緊張することなく堂々と挨拶をするとぺこっと頭を下げた。 「おぃ、お前ら、何をぼぉっとしているんだ。菱沼組の次期跡目と、縣一家の次期跡目にさっさと挨拶しろ」 ひろお兄ちゃんの鋭い声に、みんな呑む手を止めて慌てて頭を下げた。 「さすがは兄貴の息子。俺の自慢の甥だ。立派に育ってくれて鼻が高い」 「さすがは俺の自慢の息子だ。立派に育ってくれて龍パパだって鼻が高い」 ひろお兄ちゃんも龍成さんもいつになく上機嫌だった。 「菱沼組も龍一家も縣一家も安泰だな」 渡会さんも上機嫌でお酒がいつもより進んでいた。大丈夫かな?明日望実さんの葬儀なのに。二日酔いにならないかな?

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