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番外編 龍成さんと子供たち

確かこの辺りだったような。手を握ったとき、手のひらについた人差し指と中指の間。うろ覚えの記憶を手がかりに五秒ほどじっくり押してゆっくり離すと、 「いてて!」 悶絶して龍成さんがうずくまった。 「ご、ごめんなさい」 そんなに力を入れないのに。なんで? 「ストレスが溜まりに溜まっているのかも知れませんよ。ストレス過剰のときにツボを押すと痛く感じることもあると小耳にはさんだことがあります」 「マイスイートハニーとキスしてハグ出来ない寂しさがストレスの原因だな。たぶん。それと毎日のようにしていたからな。ハニーとセッ……いて!叩くことないだろうが!」 橘さんが龍成さんの手の甲をピシャと叩いた。 「子どもの前ですよ。発言には気を付けてください。それよりもっと心当たりの原因があると思いますが」 「分かってるよ。頼むからそんなに睨むなよ」 「睨んでませんよ。私は今、笑っていますよ」 「だからその笑顔が怖いんだよ」 龍成さんも彼と同じで橘さんが相手だとどうも調子が狂うみたいだった。 柚原さんは光希さんが送ってくれた荷物を受け取るために宅配業者の営業所に行っている。さっきからサイレンがひっきりなしに鳴っていて何事もなければいいんですが。橘さんが不安を口にしていた。

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