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番外編 【ひろきさんとりゅうさんを送る会】

印刷した紙を繋ぎ合わせ【ひろきさんとりゅうさんを送る会】と書かれた手作りの横断幕が広間にど~んと広げられていた。めぐみちゃんと遥香と幸ちゃん。手分けして紙で作った花をペタペタと貼り付けていた。 一太たち男の子チームは手分けしてくす玉をせっせと作っていた。一太たちを手伝う紗智さんも亜優さんもすごく楽しそうだった。十一時を過ぎてやっと起きてきた那和さん。欠伸をしながら子どもたちを優しい笑顔でそっと見守ってくれていた。 「ざるを二つに合わせてくす玉を作るか。よく考えたな」 「パパのアイデアだよ。さよならじゃないから。笑っていってらっしゃいするんだ」 「みんなりゅうパパとひろきさんが大好きだから」 「そうか。もし二人が聞いていたら泣いて喜ぶぞ」 柚原さんが一太と奏音くんの頭を撫でてくれた。 「優真駄目だよ。お兄ちゃんたちの邪魔になるから」 優真くんのあとを心さんが慌てて追いかけてきた。ズボンを手に握り締めていた。オムツを交換し、ズボンを穿くのが嫌で逃げてきたみたいだった。 「ゆうまくんもお手伝いしたいの?」 一太の問い掛けに、うん。大きく頷く優真くん。 「いいよ、お兄ちゃんっておいで。まずはズボンをはこうね」 優真くんは一太の言うことならどういう訳か素直に聞くから不思議だ。

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