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番外編 【ひろきさんとりゅうさんをおくるかい】
「心さん、穴が空いてるよ」
「穴?」
「ほら」
ズホンを高く掲げる一太。よく見ると確かにお尻に穴が空いていた。
「だからはきたくなかったのかも」
「なるほどね。急いで代わりのズボン持ってくるね」
「心さん、オムツとお尻ふきもお願い」
「分かった」
心さんが走っていった。
「気持ち悪いよね?すぐにお兄ちゃんがこうかんしてあげるからがまんできる?」
「うん。できる」
優真くんは昨日から一太と奏音くんにべったりだ。寝ても起きてからもずっと一太と奏音くんの側にいる。二人の姿が少しでも見えないと泣きながらあちこち必死に探し回る。
心さんが着替えとオムツを持ってくると、一太が優真くんの手を繋ぎそのままお風呂場に連れていってくれた。
「紙をぶりぶりして。そう上手だよ。紙で手を切らないようにね」
戻ってくるとくす玉の中に入れる紙吹雪を仲良く作りはじめた。
「心さんも七海さんみたく優真くんとここに残りたい。なんて考えてませんよね?」
橘さんの的を得た問い掛けにギクッと肩を震わせる心さん。
「そ、そんな訳ないよ。うん、絶対にない」
慌てて首を横に振った。どうやら図星みたいだったみたい。
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