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番外編意気地無しの兄ちゃんでごめんな
「譲治さんは意気地無しなんかじゃありません。譲治さんの他人を気遣う優しさと思いやりの心。遥琉さんが高く評価していました。磨けば光るものを譲治さんは持っている。そう言ってました」
譲治さんに駆け寄り背中にそっと手を置いた。
「姐さん、あなたはやっぱりみんなの姐さんだ。元気が出た」
譲治さんが手の甲で涙を拭いながら顔を上げると、
「ギャァ~~出た~~!」
恐怖のあまり顔がみるみるうちに青ざめていっていった。
後ろを振り向くと柚さんが立っていたから僕も腰を抜かすくらい驚いた。
柚さんは希実さんの遺影をじっと見ていた。それに気付いた譲治さん。遺影を慌てて服の中に隠した。
「酔っぱらっていてあまりよく覚えてないの。ごめんね。額のたんこぶ私のせいでしょう?譲治、写真見せてくれない?取ったりしないから。見るだけ」
譲治さんはびくびく震えながら柚さんの顔をじっと見つめた。
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