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番外編ごめんね

柚さんの顔を見るなり幸ちゃんが一太と奏音の背中に慌てて隠れた。本当はママに会えて嬉しいはずなのに、意思に反して体が勝手に動いたのかも知れない。 「幸……」 柚さんは哀しそうな眼差しを幸ちゃんに向けた。 「幸!」 めぐみちゃんと優輝くんもすぐに駆け付けた。 「そうだよね。ママ身勝手過ぎるよね。お尻をつねったり、ほっぺをパチンって叩いたり、無理矢理手を引っ張ったりしないから。約束するから、お願いだからママにぎゅっと抱き締めさせて欲しいの。これが最後になるかも知れないから」 柚さんが膝を立てて座ると両手を大きく広げた。 「ごめんね幸。今さら遅いよね」 柚さんの目から涙が零れ落ちた。 「みゆちゃん、一太お兄ちゃんとかなとお兄ちゃんといっしょに行こう」 「手つなごう」 「うん」 しばらく考えたのち一太と奏音くんの手をそっと握る幸ちゃん。ゆっくりママに向かって歩き出した。 譲治さんの壮絶な過去を知り、柚さんの心のなかで何かが変わった。

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