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番外編ごめんね
「お酒くさくてごめんね」
「ううん。大丈夫」
めぐみちゃんが首を横に振った。柚さんはめぐみちゃんと幸ちゃんを腕の中にしっかりと抱き締めた。優輝くんは恥ずかしいのか柚原さんの手を掴みそっと静かに見守っていた。
「めぐみ、優輝、幸をお願いね。ママね四人で暮らすためにまずはお酒に依存することを止めることからはじめることに決めたの。今度こそ嘘をつかないから。一緒にいたいけど、ここにいたらママ甘えてばかりでまたお酒に逃げて駄目な人間になってしまう。卯月さんと度会さんと未知さんと紫さんの言うことをちゃんと聞いてお利口さんにして待っててね。橘さんと柚原さんのお手伝いもお願いね。ママ、必ず迎えに来るから」
柚さんはめぐみちゃんと幸ちゃんを離すと指切りげんまんをして、涙ぐみながら頭をぽんぽんと優しく撫でた。
ここに残るようにみんなで説得したけど柚さんの決意は固かった。
「オヤジたちがあと五分で着くぞ。みんな定位置につけ」
「ママもおいでよ」
「ママはいいわよ」
「ママも」
彼や龍成さんたちに会わせる顔がないからと首を振り渋る柚さんを、めぐみちゃんと幸ちゃんが広間へと連れていった。
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