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番外編ごめんね

「あのね遥琉さん」 「柚原から話しは聞いた。だから別に怒ってない」 そうは言うものの眉間には皺が寄っているし、しかめ面をしているし。声だって苛立っていた。絶対に怒っている。 「兄貴、柚が山村留学を認めたのは譲治のお陰だろう。壱東、兄貴の命令だ。頭を上げろ」 ひろお兄ちゃんが壱東さんの隣にしゃがみこんだ。 「いえ、そういう訳にはいきません。ばか息子のせいで姐さんだけでなくオヤジに迷惑を掛けたのは事実ですから」 壱東さんは頑なに拒み、頭を下げ続けた。 「壱東さん、譲治さんは本当はお父さんのところに残りたかった。何度か逃げ出したけどすぐに見付かって殴る蹴るの暴行を受けたそうです。それでも生きていればいつかお父さんに会えると、歯を食い縛り生きていたそうです。希実さんの代わりに自分が死ねば良かった。神様も仏様もこの世にはいない。譲治さんは数え切れないくらい神様と仏様を恨んだと。でも今は、壱東さんに再会出来て一緒にいれて、神様と仏様に感謝していると話してくれました。壱東さんお願いします。譲治さんの手をもう二度と離さないでください。恥ずかしいかも知れないけど譲治さんをぎゅっと抱き締めてあげてほしいんです」

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