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番外編譲治さんの弟
「なぜそうじの存在を隠す必要がある?」
「恐らくだが、木村は李の偽名じゃないか」
「そうか、なるほどな」
ひろお兄ちゃんと龍成さんが膝を突き合わせてそんな会話を交わしていた。
ー遼、未知から電話だよ。もう何してんだが。身だしなみを整えてから電話に出ないと未知に嫌われるだって。顔は見えないのにおかしいよねー
くすくすと愉しそうに光希さんが笑っていた。
「あの、光希さん驚かないで聞いてもらってもいいですか?」
ーもしかして達治のこと?ー
「何で分かったんですか?」
ー何かを隠しているというか、怯えているというか。見るに耐えなくてね。遼が相談に乗ろうと声を掛けても大丈夫ですの一点張りー
「そうだったんですね」
ー遼、早く出ないと電話が切れるよ。未知だって忙しいんだよ。10、9、8……ー
光希さんがカウントダウンがはじまると、
ーそれだけは駄目だー
りょうお兄ちゃんがすっ飛んできた。
ー未知、おはようー
「りょうお兄ちゃんおはよう」
夕方だから本当はこんばんは。なんだけどな。相変わらず面白い。
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