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番外編みんな焼きもち妬きばっか
「どいつもこいつも焼きもち妬きばっか。参ったな」
龍成さんが小さな声でぼそぼそと呟いた。
彼もひろお兄ちゃんも耳がいい。地獄耳だ。龍成さんは聞こえていないと思っていたみたいだけど彼とひろお兄ちゃんの耳にはしっかりと聞こえていたみたいで、
「あ?」
「もう一回言ってみろ」
彼とひろお兄ちゃんが目を細め不機嫌な表情で龍成さんを睨み付けた。
「龍、お前は一言余計なんだ。オヤジ、裕貴、龍を許してくれ。年甲斐もなく駄々を捏ねた俺が悪かった」
信孝さんが頭を下げた。
「あらあらまた喧嘩をしているの?焼きもちを妬くほど仲がいいのはいいことじゃないの。龍成さん、度会にお酌をしてあげて」
熱燗が乗ったお盆を龍成さんに渡した。
「どこの誰とは言わないけど互いに遠慮して喧嘩すら出来ない兄弟もいるのに、それに比べたら言いたいことが言えて喧嘩が出来るあなた方は幸せよ」
紫さんの言葉に彼とひろお兄ちゃんと信孝さんが返す言葉もなく黙り込んでしまった。
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