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番外編 みんな焼きもち妬きばっかりなんだから
「龍成と柚の送別会なのに肝心要の柚がいないとはな」
「朝っぱらから酒を浴びるように呑んで、夕方から吐き気が止まらず気持ちが悪くて臥せってる」
「そんな状況で東京に帰れるのか?」
「柚は帰るの一点張りで言うことを聞かない。遼兄貴に一言言わないと気が済まないらしい。上澤先生が往診にきてくれたし薬も処方してもらったし、途中で休憩しながら帰ることにする」
「そうか。それならいいが」
お義父さんの表情はさえなかった。
「遼成が機嫌が悪かったのはうちの大事な婿殿が原因じゃないのが分かってホッとしたが、それにしても遼禅には参ったな」
「あの人の女癖の悪さは病気みたいなものだ。何の関係もない裕貴さんに八つ当たりして済まなかったと遼兄貴が謝っていた」
「ここに来たくてもそう簡単には来れないからな。遼成の気持ちも分からない訳ではないが」
膝を突き合わせて神妙な面持ちで話すお義父さんと龍成さん。
子どもたちみんなじぃじが大好きだから、話しが終わるまでもう少し待てと彼に言われたけど、待てるはずもなく。
「じぃじ~~だっこ」
「じぃじあそぼーー」
「じぃ~~」
我先にとお義父さんの膝の上によじ登ったらり、抱き付いたりして抱っこをせがんだ。
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