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番外編負の遺産を奏音くんの世代まで背負わせてはいけない

「どうした?調子でも悪いのか。まだ二杯目だぞ。呑める口だろう」 「陽葵を抱っこしてから付き合うよ。落としたら大変だ。会うたびに表情が豊かになっていく陽葵がとにかく可愛くてな」 お義父さんは孫にデレデレだ。目に入れても痛くないくらいに可愛がってくれる。 お義父さんが抱っこしたがっている陽葵はまだ寝てる。紗智さんと那和さんが添い寝してくれてて、ウーさんもいるから大丈夫だ。 「伜たちも嫁も婿殿も年寄りを大事にしてくれるし、孫たちも会いに来るたび歓迎してくれるし、舎弟たちも年寄り扱いせず相談役と呼んでくれる。茨木のお陰で惣一郎と和江さんと出会い茶飲み仲間も増えた。過去の報いで誰にも相手にされず一人朽ち果てていく寂しい老後が待っていると覚悟をしていたが、こんなにも毎日が楽しい老後を送れるとはこれっぽっちも思わなかった。儂は果報者だ。度会、ヤスに見合いでもさせたらどうだ?」 「いや、それが、好いている女でもいるのか見合いはしないとはっきり言われたんだ」 「ヤスにか、へぇ~~」 初耳だったのかお義父さんが驚いていた。

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