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番外編 焼きもちやきの本領発揮

あおお兄ちゃんと話をしていると、不意に彼にぎゅっと抱き締められた。 「え?遥琉さん?」 不意打ちをくらい呆気に取られていると、 「笑う顔が可愛すぎだ。反則だろ」 ー兄貴ばっかズルい。俺も見たいのにー 「未知の笑顔を見れるのは夫である俺の特権だ」 なんとなく気恥ずかしくて頬を染めながら顔を逸らすと、ますますきつく抱き締められた。 (好きだ……未知) 耳元で小声で呟かれ、全身がかっと一気に熱くなった。 「取り込み中になったから切るぞ」 ーちょっと兄貴ー 有無言わさず一方的に電話を切る彼。 首まで赤くなっているだろう顔を見られなくて俯いたけど、すぐに頤を掴まれて上を向かされた。 じっと見つめられ、ますます頬を染めると彼が愉しそうに微笑んだ。 「抑えが効かなくなるから参ったな」 唇にちゅっと口付けられた。 蜂谷さんだけじゃなく、青空さんも見ているのに。 ごほんとわざとらしく咳払いして慌てて顔を逸らす蜂谷さん。一方の青空さんは「わぁ~~お」と言いながら目をキラキラさせていた。恥ずかしくて。穴があったら入りたかった。

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