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番外編焼きもちやきの本領発揮
「夫婦仲がいいのは分かってるわよ。これ見よがしに見せ付けないでくれる?」
髪をタオルで拭きながら柚さんが姿を現した。
「なんだもう起きたのか。明日の朝まで起きてこないと思っていたぞ」
「五月蝿くておちおち寝てもいられないわよ。それに私は龍成と一緒に東京に帰るの」
「その格好でか?」
「別にいいでしょう。こんなおばさん誰も見ないわよ」
柚さんは上下紺色のスウェットを着ていた。
「そう思っているのは柚、きみだけだ。もうちょい可愛くして帰ったらどうだ?」
「は?冗談でしょう」
「こんなこと冗談で言えるか。めぐみたちはいつまでも若々しく綺麗なママでいて欲しい、笑顔が素敵なママでいて欲しい、そう願っている」
彼が目で合図をすると、今度はフーさんが現れたからビックリした。気配を全く感じなかったから尚更だ。
「フー、リンリンみたく柚も可愛くイメチェンしてやって欲しい。世の男どもが思わず立ち止まり振り返るくらいにな」
フーさんは水色のワンピースを手に持っていた。
「俺からのささやかな餞別だ」
柚さんは自分のことは自分で出来るからほっといてとフーさんに言ったけど日本語が通じなくて。フーさんに有無いわさず連れていかれた。
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