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番外編砂糖菓子のような甘いキス

規則正しく上下する子どもたちの胸の鼓動をを聞きながら布団の上でごろんと横になっていた。 遥琉さんまだかな? ひろお兄ちゃんたちと話しが弾んでいるのかな? 彼を待ちくたびれて、半ばうとうとしていると、微かに笑う声が聞こえてきた。 「風呂に入ってくる」 そんな声が聞こえたような気がした。 次に気が付いたときは、彼が石鹸の香りを漂わせて、眠る僕の隣に滑り込もうとしていた。 「悪い、起こしたか?」 「ううん」 「寝てていいぞ」 「うん」 「あ、でもその前におやすみのキスをさせてくれ」 彼が唇以外の場所にキスを落としてきた。 こめかみや目尻、睫毛や鼻の頭とキスされて、たまに柔らかく噛みつかれて、 「くすぐったい」 身を捩ると、 「未知はどこもかしこもくすぐったいんだよな」 彼も笑って、ますますいろんなところにキスをしてきた。 「遥琉さん、僕を寝せる気ある?」 「ん?ないな」 即答され怒るにも怒れなかった。 でも不思議とすごく幸せで。 普段目が回るくらい忙しいんだもの。たまにはイチャイチャするのもいいよね。 雨のようにたえず降ってくる彼の唇が、最後に僕の唇に触れてきた。 砂糖菓子のように甘く、蕩けてしまう。 そんなキスをしてくれた。

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