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番外編 信孝さん、焼きもちを妬く

信孝さんが、兄貴、風呂に入ろうと急に言い出して。背中を洗いたい。久し振りに裸の付き合いがしたいと有無言わさず彼を風呂場へと連れていってしまった。 「陽葵もハチも青空もとんだとばっちりを食らったな」 ひろお兄ちゃんの声が聞こえてきたからドキッとして後ろを向くと、じっと僕を見るひろお兄ちゃんと目が合った。 「気持ちよく寝ていたのに。五月蝿くておちおち寝てもいられないよな」 「寝ていたはずじゃあ」 「半分な。半分は起きていた。そっちに行ってもいいか?嫌なら無理にとは言わないが」 「狭いですけどそれでも良かったら」 「俺は畳の上でもどこでも寝れる。ありがとう未知」 ひろお兄ちゃんが隣の布団から抜け出ると、満面の笑みを浮かべながら、真ん中にいる陽葵の隣に潜り込んできた。 「目がぱっちりだな。これは当分寝そうもないな」 「陽葵がやっと寝てくれたと思ったら、決まって太惺と心望が目を覚ますんです。二人とも夜泣きして何をしても泣き止んでくれなくて」 「そうか。毎日大変だな」 「一日が過ぎるのなんてあっという間です。僕の場合は遥琉さんと橘さんと柚原さん、それに紗智さんたちがいてくれるから。一人で子どもたちをみている訳じゃないし、僕のほうから頼まなくても手があいている人が面倒をみてくれるから、むしろ僕のほうがなにもしていない。楽ばかりしているから、そのうちバチが当たりそうで……」 「バチは当たらない。心配するな」 ひろお兄ちゃんが優しく微笑んで頭をぽんぽんと撫でてくれた。

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