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番外編 鞠家さん悪戯される
ひろお兄ちゃんが何かに気付き今度はぷぷぷと笑い出した。
「なんださっきから。気色悪いな。俺の顔に何か付いているのか?」
怪訝そうに目を細めひろお兄ちゃんを見る鞠家さん。
「顔」
「顔?」
「気付かないのか?」
顔をぺたぺたと触る鞠家さん。
「別に何も付いていないだろう」
「聞き方が悪かったな。たいくんとここちゃんを抱っこしなかったか?」
「いや………ん?ちょっと待てよ」
何かを思い出した鞠家さん。慌てて洗面所に駆け込んだ。
「あ~~やられた」
頭を垂れて、がっくりと肩を落とした。
「悪戯されたくなかったら、悪戯っ子の前でくれぐれも居眠りをするな。オヤジに口酸っぱく言われていたのに……おやっさんと根岸さんが何で笑っていたかやっと理解した。何で誰も教えてくれないんだよ」
ため息をつきながら怨み節を口にした。
「頬っぺのぐるぐるがなかなか上手に描けているから、根岸も伊澤もオヤジに見せたかったんだろう」
陽葵をあやしながらひろお兄ちゃんが愉しそうに笑っていた。
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