2833 / 4015

番外編 鞠家さん悪戯される

ひろお兄ちゃんが何かに気付き今度はぷぷぷと笑い出した。 「なんださっきから。気色悪いな。俺の顔に何か付いているのか?」 怪訝そうに目を細めひろお兄ちゃんを見る鞠家さん。 「顔」 「顔?」 「気付かないのか?」 顔をぺたぺたと触る鞠家さん。 「別に何も付いていないだろう」 「聞き方が悪かったな。たいくんとここちゃんを抱っこしなかったか?」 「いや………ん?ちょっと待てよ」 何かを思い出した鞠家さん。慌てて洗面所に駆け込んだ。 「あ~~やられた」 頭を垂れて、がっくりと肩を落とした。 「悪戯されたくなかったら、悪戯っ子の前でくれぐれも居眠りをするな。オヤジに口酸っぱく言われていたのに……おやっさんと根岸さんが何で笑っていたかやっと理解した。何で誰も教えてくれないんだよ」 ため息をつきながら怨み節を口にした。 「頬っぺのぐるぐるがなかなか上手に描けているから、根岸も伊澤もオヤジに見せたかったんだろう」 陽葵をあやしながらひろお兄ちゃんが愉しそうに笑っていた。

ともだちにシェアしよう!