｢橘さん、創治さんと緑竜は同一人物なんですか？」 ずっと引っ掛かっていたことを勇気を出して聞いてみた。 ｢引き取り手のない緑竜の遺体は地竜が引き取りました。中国では日本と違い土葬で埋葬するのが主流みたいですね。中国に遺体を空輸したくても緑竜は不法滞在者でインターポールに追われる指名手配犯です。入国を拒否されるのが目に見えていますからね。それに正体がバレたら地竜さんも追われる身になります。ですから日本国内で土葬で埋葬出来る場所がないか探していると地竜さんが話していたことを遥琉が思い出し、地竜さんに連絡を取り、急遽遺体と達治さんのDNA検査を行うことにしたみたいです」 ｢兄さん未知に鼻の下を伸ばしてばかりいると思ったけどやるときはやるんだね。ねぇ橘、兄弟は他人の始まりってよくいうでしょ？譲治と達治もそんな感じなの？」 ｢さぁ～どうでしょうね。達治さんは口数が少なく、あまり感情を表に出さないから、譲治さんを心配しているのか、ただ単に馬鹿にしているのか、何を考えているのかさっぱり分からないと光希さんが嘆いていました」 ｢そうなんだ」 心さんも七海さんも言葉には出さないけど、離れて暮らす譲治さんと達治さん兄弟のことを心配していた。