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番外編嫌な予感

姐さんと呼ばれたような気がして玄関の前で立ち止まると、譲治さんが何度も転びそうになりながら駆け寄ってきた。顔が恐怖に青ざめ手が震えていた。 「どうした譲治?朝っぱらから幽霊でも見たか?」 顎や唇が震え声が出ない譲治さんは門扉のところを何度も指差した。 「未知、見てくる。譲治と一緒にいろ」 突然理由のない不安に襲われて、思わずひろお兄ちゃんの手を掴んだ。 「ひろお兄ちゃん待って」 「どうした?」 「理由は分からないけど、すごく嫌な予感がするの。だから行かないで。ここにいて」 「未知の嫌な予感は当たるからな……分かったよ」 「俺行きます」 「俺も」 掃き掃除をしていた若い衆が二人手を挙げた。 「兄貴がいないんだ。くれぐれも気を付けろよ」 はい!直立不動で返事をすると竹箒を握り締め門扉のところに走っていった。

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