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番外編白雪夫妻

「ハツさん、義夫さんこんにちは。こじはんを持ってきたよ」 からんからんと呼び鈴が鳴って久弥さんが入ってきたらビックリした。久弥さんはもっと驚いたと思う。 「あれ?何で?鞠家さんに裕貴さんまでいるんですか?」 「妹の付き添いだ」 「姐さんの付き添いだ」 ひろお兄ちゃんと鞠家さんの声が見事にハモった。 「久弥こそ弾よけもつけずに一人でうすらかすらするな」 「一人じゃありません。森崎さんが外で待っています。義夫さんがちょっと苦手で……」 「ちょっとじゃないだろう」 鞠家さんがやれやれとため息をついた。料理人を辞めて故郷に戻ってきて、兄と同じヤクザの道を歩み出した久弥さんを快く思っていないみたいで、会うたびに最近の若者は……というふうにねちねちと小言を言われるみたいで、義夫さんだけは昔から苦手なんだ。そんなことを話していた。 「旨そうな匂いがする。何の匂いだ?」 からんからんとドアが開いて、外にいた青空さんがひょっこりと顔を出した。 「じんだ餅だ。ハツさんと義夫さんの大好物だ。だからか橘さんが多めに作って持っていってくれって言ったのは。二人だけだしこんなに食べきれないのに。変だなとは思ったんだ。ブラックホールの青空がいるからか。なるほどね」

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