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番外編念願のランチ会
「心さんは弓削さんの下の名前が了慧さんだって知ってましたか?」
「ううん、柚原と同じ了の漢字は使うとは聞いてはいたけど初めて知った」
心さんとそんな会話をしながら蜂谷さんたちのうしろを付いて歩いていたら、
「久弥、いつまで付いてくるんだ?」
僕たちにぴたりと張り付くひろお兄ちゃんが怪訝そうに聞いた。
「俺だけ仲間外れにするなんてひどいです」
「森崎がいるだろ?」
ひろお兄ちゃんに言われ頬を赤らめる久弥さん。
「二人きりになったら速攻であそこに連れ込まれるよ」
心さんが雑居ビルのなかにひっそりと建つラブホを指差した。
「心、俺は待てと言われればいつまでも待てる。我慢が出来る男だ」
「ヘェ~~本当に?」
疑いの目を向けられぎくっとする森崎さん。
「もう、やだ」
久弥さんが顔を両手で覆った。
「なぁ久弥、白雪夫妻の息子のことを弓削から何か聞いているか?」
「別に何も………」
「そうか」
そうこうしているなかまち夢通りに面したシティホテルの一階にテナントとして入るファミリーレストランに到着した。人数が人数だからと彼が昨日のうちに席を予約してくれた。
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