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番外編宋さんを付け狙う黒い影

「駅で新幹線に乗車する前からずっとアタシのことをつけてるのよ。ずっとよ。ずっと。キモイったらありゃしない。アタシにはワカっていう名前の旦那様がいるのに。アタシって本当罪な女よね~~」 頬に両手をあててキュンキュンする宋さん。 「はい、はい、そうだな」 テンションがかなり高い宋さんにひろお兄ちゃんが、その甲高い声はどこからくるんだよとボヤキながらも耳を両手で塞いでいた。 「頭がキンキンするから、頼むから普通に喋ってくれないか?」 「これが普通よ。あんまりジロジロ見たら警戒されるわよ、そこのアベック」 宋さんが指を指したのは蜂谷さんと青空さんでなく、二人と差し向かえに座る久弥さんと森崎さんだった。 「気になるのは分かるけど、ほっとくのが一番よ。それとも知り合いとか?森崎より若くてイケメンだからって見惚れていると森崎にに焼きもち妬かれても知らないわよ」 久弥さんがポケットから紙とボールペンを取り出すと急いで何かを書いた。それとなく鞠家さんに渡すと、 「ちょっと手洗いに行ってくる」 椅子から立ち上がりトイレへと向かった。僕は気付かなかったけど、鞠家さんは遠巻きに男性の顔を確認していた。

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