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番外編ランチ会
「あの、すみません。車を移動していただきたいのですが。車のナンバーは………」
ウェイトレスがテーブルをまわり客に声を掛けていた。
「さっきの二人じゃないか?」
「出口を塞いで俺らを出させない気か?」
「人様の迷惑も考えないではた迷惑な連中だ。そもそもなかまち夢通りは駐停車禁止エリアだろう」
壱東さんもガラの悪い男たちに囲まれ駐車場から出れない、助けてくれと鞠家さんのスマホに連絡が入った。
「壱東さん大丈夫かな?」
不安で胸が落ち着かなかった。
「こういうこともあるかと別ルートでの脱出を考えていました。厨房の奥に非常用扉があるそうです。店長の許可はもらってあります。そこから出ましょう。ヤスと佐治が壱東を助けに向かっていますので安心してください」
「じゃあ、俺が囮になる」
宋さんが出口に向かった。
「アタシたち、なにも悪いことをしてないのになんで閉じ込められないといけないのよ。ちょっとひどくない?そう思わない?」
ドアの前で出るにも出れなくなっていた子どもたちの親とおじいちゃんたちに話し掛ける宋さん。何の罪もないのにみなさんを巻き込んでしまってごめんなさい。心のなかで何度も謝った。
宋さん、どうか命だけは大切にして。無茶だけはしないで。僕には祈ることしか出来ないのが歯痒かった。
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