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番外編命だけは粗末にするなよ
「詳しい経緯までは知らないが孫が椎根金融から金を借りていたのは事実だ。闇金自体返す必要がないからな。金にがめつい椎根は今でもしつこく孫につきまとっている。孫は婆ちゃんを巻き込む訳にはいかないと、なるべく会わないようにしている。これ以上迷惑を掛けたら親代わりとして育ててくれた恩を仇で返すことになるからな」
「蜂谷さん、鈴木さんのお孫さん、すぐ近くに住んでいるんですか?」
「椎根の手下に見付かって顔が変形するまで殴る蹴るの暴行を受け、命からがら逃げ出した、その足で菱沼金融を訪ねてきた。もっと強くなって椎根と石山に騙し取られた婆ちゃんの金を取り返したいからヤクザになりたい。舎弟にしてくれとオヤジに頼み込んだ」
「そんなことがあったんですね。僕、全然分からなかった」
「ちょうど渋谷がここに来ていた時だ。渋谷好みの童顔でなかなかめんこいツラをしていた。渋谷が一目で気にいって俺が面倒をみるといって連れていった」
「渋谷は面食いだ。その日のうちに美味しく食われて、真山の後釜候補三号をしている」
青空さんの言っている意味が分からなくて首を傾げると、
「未知は相変わらずうぶだね」
心さんにくすくすと笑われてしまった。
「宇賀神組は神政会の直参。そうなると……」
「椎根は鈴木の孫が渋谷の女になっていることにまだ気付いていない。あとは渋谷がどう出るかだ」
蜂谷さんが神妙な面持ちになった。
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