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番外編ただいま

「わぁーー!おいちそーー!」 幸ちゃんが頬っぺに手をあてて歓声をあげた。 「ピザとポテトと唐揚げだ。早めに食べろと書いてあるから、食べるか?」 「うん、たべる」 「よし、ちょっと待つんだ。レンジにチンしてもらうから」 「はぁ~~い!」 青空さん、自分一人で全部食べるつもりでいたみたいで、鼻歌を口ずさみルンルン気分でいたみたい。 「青空はよっぽどのことがない限り、自分の食い物は絶対に他人には分けない。例え子どもでもな」 「どういう風の吹きまわしだ?頼むから雨を降らせないでくれよ」 「どっちみち夜から明日の朝にかけて雨の予報だ」 ひろお兄ちゃんと蜂谷さんが、青空さんのうしろをスキップしながらついていく幸ちゃんを見送りながらそんな会話をしていた。 「青空も後輩が出来て成長したということだ。譲治にも食うかと声を掛けていた」 「マジか」 布団からやっとの思いで抜け出してきた彼に話し掛けられ、蜂谷さんが本当に驚いたというような声をあげた。 「譲治に青空あんちゃんと呼ばれたのがよほど嬉しかったみたいだ。俺のことも卯月さんじゃなくてオヤジと呼んでくれたしな」 彼がにこっと微笑んだ。

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