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番外編焼きもち合戦

うぎゃーうぎゃーと顔を真っ赤にし陽葵が火が付いたように大きな声で泣き出した。 「やだ、やだ」 幸ちゃんがぶんぶんと首を横に振り、服にしがみついて離れようとはしなかった。 橘さんが陽葵を抱き上げようとしたら、 「ひまちゃ~~ん」 バタバタとものすごい勢いで駆け込んできたのはエプロン姿の柚原さんだった。 「姐さん、ひまちゃんは俺に任せて。幸ちゃんをお願いします。ではお先に失礼。ひまちゃん、ぱぱたんと散歩でもしてこようか。ひまちゃんの帽子はどこにあるかな?」 ルンルン気分で連れていってくれた。 「柚原さんの頭には子どもたちの泣き声をすぐにキャッチすることが出来るアンテナがあるとしか思えません。家のなか、どこにいても子どもの泣き声が聞こえれば真っ先に駆け付けますからね。未知さんも移動しましょうか?どうぞ好きに喧嘩でもなんでもしてください。くれぐれも物は壊さないで下さいね。では失礼します」 橘さんはお冠の様子だった。 「みちさん、いたい?」 「ううん、もう痛くないよ。ありがとう心配してくれて」 幸ちゃんと手を繋ぎ橘さんのうしろについていった。ウーさんと亜優さんも一緒だ。

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