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番外編子煩悩な国井さん

子どもが大好きな国井さん。太惺と心望の声を聞くなりでれでれになっていた。でも……。 ー裕貴のヤツ、俺に内緒で未知に会いに行きやがって。水くさいぞ。裕貴にとって未知は妹。俺にとっても妹だ。なのになんで俺だけ置いてきぼりなんだ。俺だって未知に会いたいし、子どもたちとも遊びたいのに。それに俺だって未知ファンクラブのメンバーだ。ひと言くらいあってもいいだろう。裕貴あとで覚えておけよ。こっちに戻ってきたら………ー 「あ、あの……」 ひろお兄ちゃんへの恨み辛みを延々と話し出した国井さんに戸惑っていると、 ー一人言だ。気にするなー くすりと笑われた。そうだ。誉さんのことも頼まなきゃ。国井さんもすごく忙しいんだもの。長電話は出来ないもの。 「国井さん、もう一つお願いがあるんですが……」 おっかなびっくり声を掛けた。 ーなんだ?ー 「秦誉さんのことです。誉さんが一体何者なのか調べて欲しいんです。昇龍会の先々代の甥ということなっているけど、もしかしたら隠し子かも知れないんです」 ーなかなか面白いことになりそうだな。分かったよー 国井さんは誉さんの名前を聞いても動揺しなかった。それが逆に何かありそうで嫌な予感がした。

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