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番外編子煩悩な国井さん

ー名は体を表すとよくいうが千里は名前の通り千里眼だ。そしてきみも……。一人言だ。最近疲れているせいか一人言が多いんだ。スルーしてくれ。動画を送る。卯月に見せてくれー 「分かりました。国井さんに何かあったらチカちゃんが悲しみます。だから無理しないで下さい。ちゃんとご飯を食べて睡眠時間を取ってください」 ーありがとう未知。電話を切ったあとでいいから子どもたちの写真を送って欲しいんだ。みんなの笑った顔とひまちゃんの寝顔が見たいー 「もれなく人妻が写り込むよ。許可をもらったほうが揉めなくていいんじゃない?」 ーその声は那和か?ー (え?那和さん?) ドキッとして後ろを見ると本当にいたからびっくりした。あれ、ついさっきまで台所にいたはずじゃ……。 ーちょうど良かった。真沙哉から手紙を預かっているんだー 「国井、笑えない冗談を言わないの」 ーこんな大事なことを冗談で言えるか。真沙哉は那和が自分より若い男に心変わりするんじゃないか、それが心配なんだよ。電話も出来ないし直接確かめる術もないだろ?だから俺に託したんだー 「心変わりする訳ないじゃん。僕は真沙哉以外のひとを好きになんてならないのに。ずっと待ってるって約束したじゃん」 那和さんの目から涙が溢れた。

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