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番外編子煩悩な国井さん

「あら、ちょっと。それが今の若い男の子の流行りなの?」 「いや、そういう訳ではないとは思うんですが……美容男子にスカート男子。いろんな男子がいるのでついていけません」 「それもそうよね」 ホホホと紫さんが口元に手をあてて上品に笑った。 国井さんから送られて来たのは生死不明となっている誉さんの写真だった。あまりの変わりように誰もが最初は誉さんだとは気付かなかった。 「宋さんも女装すると可愛いいけれど、誉さんも可愛いわね。もともと女顔だったのかしらね?整形した訳じゃないわよね?」 「石山もそうとう変わった性癖の持ち主です。強くてカッコいい男や、いきがって鼻っ柱が強い男をねじ伏せて泣かせるのが大好きですかね。誉は千里を会長の座から追い出すために自分から望んで石山のイロになった。対する石山も誉が会長になれば昇龍会を思うがままに操られる。お互いに利害が一致した。まぁ、そういうことでしょうね」 「千里さんが女だからと甘く見ていると痛いしっぺ返しを食らうわよ。それに千里さんを支える屋台骨がしっかりしているんだもの。そう簡単には崩せないわよ」 紫さんが写真をじっと見つめた。

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