｢鈴木さんのお孫さんも子どもが嫌いみたいですよ。五月蝿いから黙らせろ。何でガキを連れてきた？嫌がらせか？喧嘩を売ってるのか？後部座席で喚き散らしていたみたいですが、運転していた真山さんは何を言われようが、後ろから物が飛んでこようが一切無視して警察署まで送り届けたみたいです」 ｢事情聴取が終わったら迎えに行かないといけませんよね？」 ｢真山さんは彼を迎えに行く気はありませんよ。渋川さんのところに帰りたければ自分でどうにかして帰れ。去り際にそう言い残してきたみたいです。鈴木さんのお孫さんはイヤホンをしてスマホを弄っていたから真山さんに何を言われたか分かってないと思いますよ。これくらいの嫌がらせはまだ可愛いほうです。真山さんの腹の虫がおさまりませんからね」 真山さんは移動の疲れが出たのか座布団の上に聡太くんを寝かせると隣にごろんと横になりそのまま寝てしまった。橘さんと手分けして毛布を運んできて二人に掛けた。 二人してとても幸せそうな寝顔だった。ほのぼのとして心が和むひとときだ。橋本さんとは依然として連絡がつかないみたいだった。