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番外編俺も、この子を守りたい

「ハチ、俺もこの子を守りたい。駄目か?」 「駄目ではない。青空がいてくれたら鬼に金棒だ」 「神様は不公平だな。真面目な人ほど報われない。正直者は馬鹿を見る」 「確かにそうだな。でも四季には和真とオヤジとヤスがいる。自他ともに認めるシスコンの兄もいる。正直者にはいつか神が宿る。今まで苦労してきた分、四季には幸せになってもらわないとな。オヤジ、それ見せてもらってもいいですか?」 蜂谷さんが調査報告書を指差した。 「おぅ、構わないぞ」 彼から調査報告書を受け取るとぱらぱらとページを捲った。 「どうしたハチ、何か腑に落ちないことでもあるのか?」 「四季は最後の最後まで供述調書の内容が事実と異なると訴えて署名捺印を拒否し続けた。担当した刑事が四季に無理矢理署名をさせようとしたんだ。頭に来たから、取調室に押し掛けた。弁護士がいない四季を助けられるのは俺しかいなかった。なりふりなんて構っていられなかった」 「そんなことがあったのか」 「あぁ。だから顔見知りだった阿部に四季を助けてくれと頼み込んだ」 蜂谷さんを羨望の眼差しで見つめる青空さん。惚れ惚れするとうっとりしていた。

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