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番外編俺も、この子を守りたい
「ヤスと佐治に白雪義夫をそれとなく見張るように言ってくれ。女は泳がせておけ。そのうち尻尾を出す。雨が降ってきたな。裕貴を東京に帰らせない気か」
「雨が降るなんて聞いてないぞ」
「大雨に関する警報が出ている。何かあってからでは遅い。帰るのは明日にしたほうがいいんじゃないのか?」
「心と優真がやっと帰るモードになってくれたのに……帰りたくないとまた駄々をこねられる」
ガックリと肩を落とすひろお兄ちゃん。
「まぁ、そう落ち込むな」
彼が元気を出せと肩をぽんぽんと軽く叩いて励ました。
「鈴木太郎が闇夜に紛れ妙な動きをしている。動かない方がいい」
そのときゴロゴロと雷鳴が轟き、ザァーーッと強く雨が降りだした。
「停電になる前に一旦解散だ。雷《らい》さまから子どもたちの臍を守らないといけないからな」
「優真も雷が苦手だ。心配だから見てくる」
ひろお兄ちゃんが急いで部屋に戻った。
「鍋山、譲治も雷が苦手だ。側にいてやれ」
廊下に控えていた鍋山さんに声を掛けていると、携帯が鳴った。
「鞠家、鈴木太郎が動いた。白雪夫妻の所在を至急確認してくれないか?」
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