2966 / 3638

番外編 災いの連鎖

駅裏のショッピングセンターで火事とネットニュースが第一報を報じていた。 そのショッピングセンターはN総合病院のすぐ目の前にある。火の気がないはずのディスカウントストアから出火し今も燃え続けているみたいだった。 「だからか、駅の方角が白く霞んで何も見えないのか。いつもならネオンが煌々と明るいから変だなとは思っていたんだ。鞠家、聡太は?」 ーさっきまでギャン泣きして大変だったんだ。俺の指をチューチューと吸いながらようやく眠りはじめたところだ。吸っても何も出ないのにな。でも可愛いから許すー 「そうか。何かあったら連絡を寄越せ」 くすっと笑いながら電話を切ると、 「聡太の身に危険が及ぶかも知れない。病院に向かわせて正解だったな」 ほっとして胸を撫で下ろした。でもわずか五分後、 「オヤジ大変だ!白雪美容室が燃えている」 白雪夫妻をそれとなく張り込んでいた佐治さんが息を切らしながら駆け込んできた。 「佐治、風邪をひくぞ」 ひろお兄ちゃんからタオルを渡され、 「あれ?なんでいるんだ?」 てっきり帰ったと思っていたみたいでかなり驚いていた。

ともだちにシェアしよう!