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番外編災いの連鎖
「いて悪かったな。白河インターチェンジの先が降雨基準の超過により高速道路が通行止めになっているんだ。明日には帰る」
「いて悪いとは一言も言ってません」
直立不動になる佐治さん。額からは冷や汗がだらだらと流れていた。
「ますますいい面になったな。渋川が惚れるのも頷ける」
「渋川?」
不思議そうに首を傾げる佐治さん。
「いや、なんでもない。聞かなかったことにしてくれ」
クスクスと笑うひろお兄ちゃん。
「そういえばヤスは?いつもねっぱっているのに珍しいな。痴話喧嘩でもしたか?」
「だから俺とヤス兄貴はそんな関係じゃありませんよ。兄貴には弓削さんと柚原さんがいます。裕貴のその言い方、弓削さんにそっくりです」
「呼んだか?」
噂をすれば影。ヤスさんがひょっこりと顔を出したものだから、佐治さんが飛び上がるくらいビックリしていた。
「オヤジ、女は義夫の娘を名乗っているが、どうも怪しい」
「怪しいとは?」
「親父の言う通りかも知れない。混乱に乗じて邪魔な存在であるハツを殺すかもかもな」
ヤスさんが移動販売の傍ら調べたことを彼に報告した。
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